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『長崎新聞』に掲載

病気の子らへウィッグ無償提供 ヘアドネーション・長崎県内13の理美容室も協力

切った髪を手に笑顔を見せる中村由美子さん(手前)=長崎市、美容室FEELS
切った髪を手に笑顔を見せる中村由美子さん(手前)=長崎市、美容室FEELS

美容室の鏡の前で、切ったばかりの毛髪の束を手に女性はつぶやいた。「誰かの役に立ちますように」

寄付された毛髪を使用して、小児がんの治療などで頭髪に悩みを持つ18歳以下の子どもたちに医療用ウィッグ(かつら)を無償提供する「ヘアドネーション」。現在は全国で約2千店、県内も13店の理美容室が協力している。著名人やメディアの発信もあり、活動の輪は広がっている。

■親子で一緒に

「テレビで知り、切るときには寄付しようと決めた。自分でも役に立てることがあるなんて」

6月中旬、ヘアドネーション賛同美容室「FEELS」(長崎市浜町)を訪れた同市小峰町の中村由美子さん(46)。2年半伸ばした髪を、ばっさりショートヘアにした。

店長の浅野光明さん(39)は、約2年前からヘアドネーションに賛同している。きっかけは、病気になった常連客の「副作用で髪が抜ける前に誰かのために残したい」という頼み。以来、約50人の寄付に協力してきた。最近は5歳の女の子から寄付したいとの依頼があるなど、問い合わせも増加している。

長崎市内の小学4年生、中村丈太郎君(9)は、寄付のために髪を伸ばしている海外の男の子の存在を知り、昨夏から髪を切っていない。「その子は周りにからかわれても伸ばしていた。強い心だと思った」。丈太郎君も「女の子みたい」と言われたりもしたが、気持ちはぶれていない。「病気の人に髪の毛をあげたい」。今は母の真紀さん(42)も一緒に伸ばしている。2人は今冬あたりに切って、寄付する予定だ。

■31センチ以上必要

ヘアドネーションは1990年代に米国で普及。日本では2009年から大阪市のNPO法人「Japan Hair Donation&Charity」(JHD&C)が取り組んでいる。代表を務める美容師の渡辺貴一さん(46)が「自分たちの仕事、技術が社会に役立つのであれば」と立ち上げた。

一つのウィッグに必要な毛髪は約30人分。白髪などでも問題はないが、切り落とした部分の長さが31センチ以上という条件が付く。ロングヘアを希望する子どもも多いため、50センチ以上の髪は貴重だ。

金額も高く、子ども用ウィッグは1個数十万円。それをJHD&Cは、これまで185人に無償で贈ってきた。受け取った女子高生からもらった「久しぶりに自分の本当の笑顔を見た」というメッセージは、強く印象に残っているという。

■順番待ち167人

JHD&Cには現在、国内外の美容室などから1日平均200件の毛髪の寄付がある。一方で、募金も呼び掛けている。例えば、3千円の募金があれば、ウィッグになる毛髪1、2人分のトリートメント代になる。だが、募金で賄う活動費やウィッグの制作費、人手は不足気味。このため7月18日時点の順番待ちは167人。中には、ウィッグを待つ間に亡くなるケースもあるという。

長崎市の美容師、井手美千代さん(34)は、毛髪の寄付を望む客をカットした場合、カット代の半額を募金している。

それぞれが、自分にできることを-。一人一人の思いが、支援の輪の広がりにつながっている。


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